商業登記申請メモ

事例

発行済み株式総数として5000株と登記されている非公開会社（取締役会設置会社）が、第三者割り当ての方法により、新たに1000株の募集株式を1株あたり1万円の払込金額で発行した場合の申請。

※全て金銭出資、会社の自己株式なし、支配株主の異動なしとする。

申請情報

備考

課税標準金額

募集株式の発行により増加した資本金の額を記載する

登録免許税

金7万円
※登録税別表1.24(1)ニ（増加した資本金の額の7/1000、これにより計算した額が3万円に満たないときは金3万円）

ある種類の種類株主に損害を及ぼすおそれがある場合の種類株主総会

・株式の種類の追加、内容の変更、発行可能株式総数または発行可能種類株式総数の増加により、ある種類の株式の株主に損害を及ぼすおそれがある場合には当該種類株式の株主を構成員とする種類株主総会の特別決議を経なければならない（当該種類株主総会において議決権を行使できる株主が存在しない場合は不要）⇒種類株主総会議事録を添付する。

募集事項の決定機関

第三者割当

【公開会社】
・通常発行⇒取締役会
※定款で株主総会の決議とすることも可能。この場合は定款および株主総会議事録を添付する。
・有利発行⇒株主総会（特別決議）
※株主総会の特別決議により取締役会に募集事項の決定を委任することができる。この場合は株主総会議事録および取締役会議事録を添付する。

【非公開会社】
・通常発行⇒株主総会（特別決議）
・有利発行⇒株主総会（特別決議）
※上記いずれも株主総会の特別決議により取締役（取締役会設置会社においては取締役会）に募集事項の決定を委任することができる。この場合は株主総会議事録および取締役の過半数の一致を証する書面（取締役会設置会社においては取締役会議事録）を添付する。

株主割り当て

【公開会社】
取締役会決議
※定款で株主総会の決議とすることも可能。この場合は定款および株主総会議事録を添付する。

【非公開会社】
原則：株主総会（特別決議）
例外：取締役の決定や取締役会決議によることができると定款に定めることができる。この場合は定款および取締役の過半数の一致を証する書面（取締役会設置会社においては取締役会議事録）を添付する。

関連条文

商業登記法

（申請書の添付書面）
第十八条代理人によつて登記を申請するには、申請書（前条第三項に規定する電磁的記録を含む。以下同じ。）にその権限を証する書面を添付しなければならない。

（添付書面の通則）
第四十六条　登記すべき事項につき株主全員若しくは種類株主全員の同意又はある取締役若しくは清算人の一致を要するときは、申請書にその同意又は一致があつたことを証する書面を添付しなければならない。
２　登記すべき事項につき株主総会若しくは種類株主総会、取締役会又は清算人会の決議を要するときは、申請書にその議事録を添付しなければならない。
３　登記すべき事項につき会社法第三百十九条第一項（同法第三百二十五条において準用する場合を含む。）又は第三百七十条（同法第四百九十条第五項において準用する場合を含む。）の規定により株主総会若しくは種類株主総会、取締役会又は清算人会の決議があつたものとみなされる場合には、申請書に、前項の議事録に代えて、当該場合に該当することを証する書面を添付しなければならない。
４　監査等委員会設置会社における登記すべき事項につき、会社法第三百九十九条の十三第五項又は第六項の取締役会の決議による委任に基づく取締役の決定があつたときは、申請書に、当該取締役会の議事録のほか、当該決定があつたことを証する書面を添付しなければならない。
５　指名委員会等設置会社における登記すべき事項につき、会社法第四百十六条第四項の取締役会の決議による委任に基づく執行役の決定があつたときは、申請書に、当該取締役会の議事録のほか、当該決定があつたことを証する書面を添付しなければならない。

商業登記規則

（添付書面）
第六十一条　定款の定め又は裁判所の許可がなければ登記すべき事項につき無効又は取消しの原因が存することとなる申請については、申請書に、定款又は裁判所の許可書を添付しなければならない。
９　設立の登記又は資本金の額の増加若しくは減少による変更の登記の申請書には、資本金の額が会社法及び会社計算規則（平成十八年法務省令第十三号）の規定に従つて計上されたことを証する書面を添付しなければならない。